大豆の収穫とタネの話

さて、前々回のブログで少し触れましたが、今回は大豆です!

今年5月、

自粛期間が始まりいろんな情報が飛び交う頃、

まだ畑計画はありませんでしたが、とにかく種を蒔こう!と庭の隅に大豆を植えました。

いつも風の森キッチンでお米と大豆をお願いしている能登の七原の自然栽培農家さん、結の手の大豆です。

途中庭の計画の都合で移動させられたり、虫に食べられたりしながらも逞しく育ち夏の枝豆も美味しくいただきました!

残りは来年につなぐ種として大豆になるまで育て、収穫して干していました。

そして、先日やっと脱穀(少ないので手作業で)しました!

ほんの一握りの収穫。

それでも確実に来年につなぐこの土地の種、2020年を共に乗り越えた種です。

少し長くなりますが、私が23歳ころに働いていた岐阜県奥飛騨の山奥で、ほんの一握りの地豆の種を探して分けていただき北海道の実家に持ち帰ったことがあります。私が生まれた頃に両親がたまたまその近くに住んでおり、美味しかったという豆のおぼろげな記憶を頼りに探しました。探し始めたはいいものの高山の朝市などで農家さんに聞いても知らないとのこと。諦めかけていた時に働いていた旅館の女将さんが友人たちに聞いてくれました。そして1人、とある村の出身という方が、そこの地豆がそうかもしれないと教えてくださいました。それがたまご豆でした。今では北海道の両親の農園で毎年たくさんのたまご豆(白たまご)が収穫されています。豆の栽培は手がかかるし、最後の脱穀から選別がとにかく大変で割に合わない農産物。でも毎年美味しいと喜んでくれるファンのために、数種類の豆を両親は作っています。そして売れる分の量は本当に少ないのに、自家用から私にもたくさんいつも送ってくれます。まさにひとつぶひとつぶ両親が育てた種です。

話が急に変わりますが、私が自然栽培について勉強していた時にきいた種の話です。種は地面に落ちて最初の根っこをひゅっと出した時にその土の情報を読み取るそうです。そして自分のDNAの中にある記憶の中から戦略をたて、育ち方を決めていきます。DNAはそれまでのたくさんの記憶からなる設計図であり、戦略本だということでした。例えば、栄養がたっぷりの土なら、あまり根を伸ばさずにどんどん近くから吸収して木や実をすばやく大きくしますし、痩せた土地ならば根をしっかり張ってゆっくり大きくなるという感じです。どちらも最終的には立派な実がなりますし、次の世代へと種をつないでいきます。そして設計図に新たな土地の記憶を刻んでいきます。実際私も、母が育てた苗が他の畑でだめになったり、その逆も見たことがあります。植え替え時の環境の変化に戦略変更が追いつかなかったケースだと思います。

前置きがめちゃくちゃ長くてすみません(^_^;)

種は過去を記憶して次へ繋いでいく大切な地図だと私は思っています。

今、世界各地でシードバンクや遺伝子組み換え作物への反対など、様々な活動が起こっていますが、私もまた、私たちが持続可能で健康的な明日をこどもたちにつなぐために、種への敬意を忘れずに日々生活していきたいと思っています。

この写真は、今年の3月に私が仕込んだ味噌。結の手さんの大豆です。今美味しく食べています。

この時の味噌作りワークショップに参加くださった皆さん、どうでしょう、うまくできましたか?

うちの大豆の収穫は味噌を仕込むほどはないので、また結の手さんにお願いして、仕込もうと思います。

こんな状況ですが来年もみんなで仕込めたら嬉しいなと願っています。

ふうこ

“大豆の収穫とタネの話” への2件の返信

  1. ふうこさん、こんにちは。
    いつも大変お世話になっています。
    あけましておめでとうございます。
    種がその土地にあった生存戦略をたてるという話、とても興味深く読ませていただきました。
    生き物はみな、そうやって場所に合わせて変化しながら生きているんですね。
    そして設計図に新たな土地の記憶を刻む。
    土の中で一つ一つの種がそうやって懸命に生きていくことが、愛おしいです。
    いつもおいしいお弁当ありがとうございます。
    今年もよろしくお願いいたします。

    1. コメントありがとうございます!はい、種を守り繋いでいくことも私たちが次世代にできる大切な役目だと感じています。今年は、種や微生物についてマイペースに書いていきたいと思っています。よろしくおねがいします^^。ふうこ

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